NS総研がシンクライアント販売で新方式

06 8/28

 サイボウズの連結子会社で、セキュリティ関連のリサーチなどを行うネットアンドセキュリティ総研(NS総研)は、ネクスタームからシンクライアント関連事業の営業権を取得する予定であることを発表した。併せて、ソフトブレーンおよびリスクモンスターの2社がNS総研に出資、シンクライアント関連ビジネスで協力体制を敷いていくことも明らかにしている。ネクスタームの社員は、実質NS総研に転籍、NS総研は今回の業容拡大を機に東京・後楽園のサイボウズ本社内にあるオフィスを溜池に移転し、現在のNS総研の社員とネクスタームの社員が合流する予定だ。

 ネクスタームが、自社開発のシンクライアント製品を販売してきた対象は国内大手企業に限られ、中堅・中小企業層の開拓はほとんどできていなかった。NS総研の津幡靖久社長は「サイボウズ・オフィス6の持つ中小規模ユーザー層への普及がねらい」としている。
 シンクライアントが中小企業に普及し難い原因としては、導入台数が一定数を超えなければメリット感がないというコスト構造が第一にあげられる。そこでNS総研では、付加価値としてアプリケーションをセットにすることでコスト面の割高感を払拭する考えだ。
 そのため、親会社であるサイボウズのグループウェア「オフィス6」のほか、今回賛同を表明し資本参加したソフトブレーンのCRMソフトやリスクモンスターの与信管理サービスなどを付加価値として用意、価格面を考慮してASP形式で提供する。「今後パートナーを募り、アプリケーションの選択肢を増やしていく」という考えも明らかにしている。
 シンクライアントで必要となるサーバーベースド・コンピューティング・ソフトに関しては、コストを抑えるライセンス方式の検討をベンダーと進めていく。シンクライアント端末についてもレンタルなど、より安く提供できる方法を探っていくとしている。
 サイボウズは、従来のソフトのライセンス販売だけでなく、ハードをセットにして提供するアプライアンス形式の販売が、ユーザーを取り込む手段として有効と判断、新たなビジネスモデルとして模索している。今回のNS総研の取り組みはその第一弾となるものだ。また、ASPとシンクライアントを組み合わせた新たな提供形態も注目されるところだ。





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