富士通、「つながるサービス」強化

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 富士通は経営方針説明会を行い、田中達也社長が2017年度の事業方針を発表した。田中社長が就任時に掲げた営業利益率10%達成に向けて、2016年度に2・9%である営業利益率を「2017年度に営業利益率5%ゾーン(4・5%)、2018年度に6%ゾーンを目指す」と数値目標を掲げた。デバイスなど不採算事業の分社化、新しい「つながるサービス」や次世代型のSIなど、これまでのビジネスモデル変革に向けた投資および取組みの効果が、17年度以降に反映されるとしている。

 キー技術で外部連携も

 富士通は、15年の田中社長就任以来、経営改革を進めている。コア事業としてソフトやサービス領域に経営資源を集中させている。その流れを受けた今後の経営方針として、コア事業の領域では、従来から掲げる「つながるサービス」への投資集中を継続する。
  クラウドやビッグデータ、人工知能(AI)、IoTなどのデジタル技術に基いた同社のSIコンセプト「ナレッジ・インテグレーション」と、これまでSI事業で培ってきた業種・業務の知見を組み合わせた「専門力」により、インテグレーション力を進化させ、「SIの新たな形を作りグローバルに展開していく」(田中社長)としている。
  コア事業領域のキーテクノロジーとして、クラウド領域では、オープン技術を活用したパブリッククラウドサービスの「K5」など「メタアーク」を強化し、現在のIT運用環境のトレンドとなっているクラウド利用環境に対応するマルチクラウドインテグレーション基盤として、ユーザーのビジネス基盤を支援する。
  AIについては、同社のAIサービス基盤「ヒューマンセントリックAIジンライ」を軸に、産官学の複数パートナーとも連携し、「30年来の技術と業務ナレッジでお客様の期待に応える」としている。
  セキュリティでは、「富士通サイバーセキュリティリスクマネジメント」を中心に、グローバルのセキュリティベンダーやコンサル企業、保険会社などと連携を強化して、セキュリティ・マネジメントサービスをワンストップで提供していく。
  また、中国レノボ社と提携を協議中のパソコンやスマートフォンなどのユビキタス・デバイス事業を独立事業として分社化し、その上で富士通のコア事業とのシナジーを追求していく。


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