ファーストリテイリング、IT活用で事業拡大へ

15 6/22

 ファーストリテイリングは、IT活用によるサービスの高度化に向けて、アクセンチュアとの協業を発表した。将来的には合弁会社設立を視野に入れ、データ分析領域などでの優秀なIT人材の採用と育成を行う。業務の変化に合わせたシステムやインフラ構築の内製化を進め、柔軟な対応を行うことでサービスレベル向上を図るとともに、最先端のデジタルソリューションを駆使することで、店舗とネット世界をシームレスに繋ぎ、顧客に快適な販売サービスを提供する考えを示した。

 社会・生活基盤としてデジタル化が進むなか、ファーストリテイリングはIT活用を強化し、どこでも顧客の欲しい情報を提供する環境を実現させるため、全ての顧客会員化を唱え、提案型販売を行えるようにするためにシームレスなコミュニケーション基盤を整備する。
柳井正会長兼社長は、「モバイルやビックデータ、クラウドなどデジタルを用いて顧客とつながり、顧客、社員、サプライヤーが同時進行で仕事を行う仕組みを作りたい」との構想を明らかにした。
具体的には、商品開発、計画、生産、物流、マーケティング、店舗、販売リサイクルなどの全ての工程をシームレスに繋げ、快適なサービス提供を行い、ネットと実店舗を融合するオムニチャネルの取組みを行う方針だ。
アクセンチュアは、CRMやSCMなど基幹業務システムクラ ドへの移行や、e―コマースのプラットフォ ーム構築などを支援し、最新技術を取り入れたオペレーション基盤やIT基盤の構築など消費者からの洞察を得られるためのシステム構築に取り組む。
その他にも両社は、デジタルイノベーションとして情報のフルタイム化、そしてその仕組みを構築する人材の育成や、デジタル体制の強化を行い、最新のITを活用した新たなサービスの開発を目指す。
人材の募集については3つのプロセスとして、ビックデータを活用するエンジニア、EコマースやWeb・モバイルなどクラウドネイティブなエンジニア、業務構築できるエンジニアを募集する。

  共同事業での取組みの一環として両社は、日本から発信する新しい産業の創出を行っていく方針を示した。「できれば今年の秋・冬には顧客情報のデータベース化を行い、お客様の買い物の利便性を高めていきたい」(柳井会長兼社長)としている。

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