中小SI会社にMA領域を提案

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 フィンテック、IoT、AIと今年はIT関連のキーワードが目立つが、現実レベルで役立ちそうなITサービスとして、「マーケティングオートメーション(MA)」が盛り上がっている。特に海外ベンダーの動きが活発化し、マルケトなどは急成長している。
  CRM、そして今となっては懐かしい響きのWeb2・0時代の技術が、クラウドやモバイルというIT環境やユーザーの行動様式と進化の過程で交わり、本格的に普及を迎えた感がある。さらに、東京オリンピック・パラリンピック開催を控えて日本に対する注目も高まり、実際に海外からの訪日観光客も急増、ターゲットは海外にも広がっている。
  モノを作る日本の技術者は、儲けたり売ることにテクニックを弄することを卑下する傾向にある。そもそも、日本人自体が「儲ける」という言葉には、「だます」の要素をわずかに感じる。そこが「マーケティング」との違いだろう。良い品質のものを必要とする人に届ける仕組み、購買者におかしなものを買わせないという視点に立てば、マーケティングの強化は国内製造・サービス業の正当な評価にもつながる。
  受託、常駐ビジネスから次を狙うSI企業、特に中小企業などこの領域は狙い目ではないか。市場にはクラウドで簡単に導入可能な多くのツールが登場しており、それらの導入・活用支援やシステム連携はビジネスになるはずだ。
  ただ優秀なマーケティング人材は少なく、人材の確保は難しい。ならば学生のインターンシップのように、人材交流はできないか。労働力不足のコンビニやショップなどと提携し、人材教育の一環として新人や技術者を派遣して一定期間接客の労働を経験させ、人が商品を購入する流れや技術者に不足がちなホスピタリティを学ぶ。うまくいけばそこから本筋の取引も始まる―というのは都合が良すぎるだろうか。 (I)