CECがマイクロソフトと提携しERP事業に参入

08 6/16

 中堅SI会社のシー・イー・シーは、中堅企業向けの基幹業務システム事業を強化するため、マイクロソフトと提携し、マイクロソフトのERPパッケージ「ダイナミックスAX」の販売を開始した。同社としては初の中堅企業向けERP事業への参入となる。ERP市場は大手ユーザーへの導入が一巡し、ターゲットは中堅・中小企業へとシフトしている。そうした中、「新規参入組として製造業の中堅企業向けで特徴を出し市場シェアを取りたい」(広報)としている。システムの企画から構築、運用まで総合的なユーザー支援を強みに新たなビジネスモデルの創出に挑戦する。

 同社はこれまで、自社開発の営業支援ツール「ワンダーWeb」とピー・シー・エーの業務パッケージ「PCAドリーム21」をシームレスに連携する「ワンダーWebフォードリーム21」を販売してきた。あくまでも営業支援ツールの販売に連動する形でドリーム21を販売してきた。一方で基幹業務システムは、パッケージを用いない作り込みのシステム開発に実績とノウハウを持っている。
  今回、同社が得意とする製造業の中で、特に中堅企業クラスでERPパッケージ導入が少ないことから、新たなビジネスチャンスを創出することにした。これに伴い、パートナーであるマイクロソフトとの提携を強化し、ERPパッケージ「ダイナミックスAX」のソリューションプロバイダー契約(SPA契約)を結んだ。これによりERPの本格販売に踏み切ったことになる。
  同社は今年4月に、金融、製造、自動車産業など業種別営業体制とする組織改革を行い、社内横断的な技術力の連携を図っている。こうした業種特化型の面からも今回のERP事業が有効との判断があった。
  従来の製造業およびサービス業に対するシステム構築、保守、運用を総合的にサポートしている経験とノウハウをベースに、部品メーカーなどの製造業や情報通信/サービス業向けの販売、会計を中心に、ダイナミックAXを活用したERP関連事業の拡大を図っていく考えだ。
  大手から中堅のITサービス会社は現在、業容拡大や競争力強化から新たなビジネスモデルの創出を模索している。CECの取組も一連の流れに乗った新規ビジネス展開として、特に競争の激しいERP市場への本格参入として注目されるところだ。

 

シー・イー・シー