タタコンサルタンシーサービシズが三菱商事との合弁会社を設立、ITフロンティアを統合

14 4/28・5/5合併号

 インドのタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)社と三菱商事は、三菱商事子会社のアイ・ティ・フロンティアと、TCS日本法人のタタコンサルタンシーサービシズジャパン(TCSJ)、三菱商事とTCSJの合弁会社である日本TCSソリューションセンターを統合し、7月1日に国内に新会社を設立する。資本比率は、TCSが51%で三菱商事が49%となる。新会社では、TCSのグローバル展開のノウハウとリソースを武器として、主に日本の大手企業をターゲットとしてサービスを展開するほか、グローバル進出する日本企業にもアピールしていく。

 TCSは、世界の企業を顧客としてITサービスを展開し、2013年度決算によると、売上が
前年度比16・2%増の 134億ドル(1兆3 400億円)、純利益が22・9%増の31億ドルで、好調を維持している。
特に、同様に世界規模のサービスを展開している米IBM社や米アクセンチュア社などの先進国のITサービス事業者と比べて、サービス価格面で強みを持ち、技術力も評価されて世界中で顧客を増やしているが、日本市場に限っては苦戦している。
日本では、三菱商事と日本市場獲得戦略の一環として3年前より連携を開始しており、これまでもITフロンティアと共同ビジネス展開も行ってきた。今回の合併により、三菱商事ならびにITフロンティアの既存顧客をはじめとして、TCSのインドを中心とする総勢30万人のオフショアリソースを活用した、価格競争力のあるITサービスを日本市場向けに提供する。
これまでTCSJでは組込み系の開発も多かったが、新会社ではグローバルのリソースや海外でのノウハウを活用したエンタープライズ系のシステム開発やアウトソーシングサービスを中心に展開していく予定だ。
このほかに、海外におけるITサポート体制やグローバルネットワークを強みとして、日系企業の海外進出を支援するとともに、三菱商事グループの海外拠点や事業投資先へのITサポート体制も強化する。
両社の合併により、新会社の従業員数は2400名(うちTCSJ出身者は800名)で、「売上高6億ドルを見込む」(TCSのN・チャンドラセカラン社長)としている。