中堅・中小企業はLinux導入に不安

06 6/12

 中堅・中小企業で利用されているサーバーOSは8割以上がウインドウズで、Linuxは5.5%にとどまっており、導入意向も減少傾向にあることがノーク・リサーチの調査で分かった。社内でLinuxを理解する技術者がいないという人材難が要因となっているようだ。また、技術者を育成するには、専用の教育プログラムを受けさせLinuxのスキルを身に付ける、社外の経験者を受け入れるなどの時間とコストがかかるために、あえて手を出さない中堅・中小企業の実情が分かった。

調査は売上高5億円以上500億円未満の企業を対象に今年2月から4月にかけて実施したもので、931社の有効回答を得た。
 それによると、利用しているサーバーOS全体のうち「Linux」の比率は5.5%で、前年の調査結果と比べると1・1ポイント減少した。最も多いのは「ウインドウズ2000」で39・2%だった。続いて「同2003」が25.9%、「同NT」が18.8%となり、ウインドウズOSは合せると前年比1・2ポイント上昇し83.9%となった。
 Linuxを自社内に1台でも導入している企業は、前年より0・2ポイント減少し24・8%となった。導入意向について、「今後使いたい」は3.3ポイント減って15.5%で、「使うつもりがない」が3.5ポイント増えて59.7%となり、利用意欲にかげりが見えていることが分かった。
 Linuxを使うつもりがない理由(複数回答)として最も多かったのは「Linuxを理解する技術者がいない」で、58・5%を占めた。次いで「サービス/サポートが不安」が38.0%、「今使用しているOSに満足」が37.1%、「実績が少なく不安」が26.6%、「アプリケーションが少ない」が20.7%となった。
 さらに同社がランダムに抽出した8社への聞き込み調査では、「自社内にLinuxのエンジニアを抱えて自社サポートを行うことでコスト削減につなげている」「メール、Web系単機能サーバーではLinuxが優れている」など利点を挙げる声もあった。一方、「ベンダーのサポートフィーが思いのほか高額」「アプリケーション不足」など実務での不満も多い。これらが人材難と併せて余裕のない中堅・中小企業が敬遠する要因となっている。

 ノーク・リサーチ http://www.norkresearch.co.jp/