NTTデータがIC運転免許証を活用した次世代認証サービスを開発

09 11/30

 NTTデータは、IC運転免許証のICカード機能を活用した、民間企業向けの個人認証サービスを事業化する。同社は、IC運転免許証内のICチップに記録された情報を、本人認証が必要な民間のサービスに利用できるようにするための手法を開発し、今後IC運転免許の普及状況を踏まえ、2010年度以降の事業化を検討している。運転免許証の表面が偽造されても、電子データの状況を見ることで不正を把握できるため、銀行口座や携帯電話の利用契約の際に、信頼性が高い本人認証の仕組みを実現できる。

 警視庁は、偽造による不正利用防止を理由に、2年前より一部でIC運転免許証の交付を開始している。今年度中には全国でIC運転免許証が発行され、2014年にはすべての運転免許証はIC免許証に切り替えられる。
本人認証にIC運転免許証を利用すれば、信頼性は高まるが、免許証内に記載されている電子データの読出しには、免許発行時に自らが設定した4桁の数字による2種類の暗証番号の入力が必要で、現状で個人認証サービスに利用するには利便性が低い。
NTTデータは、IC運転免許証の暗証番号を入力する代わりに、本人が持つ他のICカード情報をかぎとして、2枚のICカードを組み合せて行うパスワード変換による個人認証技術を開発した。
例えば、IC運転免許証の2種類の暗証番号と、個人が持つSuicaやPASMOなどのICカードや、おさいふケータイなど他の媒体のIDをサービスセンターに事前登録しておくと、パスワードを入力しなくても、そのICカードをかざすことでIC運転免許証の電子データを読み出すことができ、IC運転免許証の本人情報を個人認証用の情報として簡単に利用できるようになる。
登録方法には、読取装置やテンキーを利用し、店頭で行える手法を検討している。また、特定のICカードのみと組み合わせることで、店舗が顧客の囲い込みに利用するといった運用側の利便性も持たせる。カードから読み出した情報は、本人の同意を得れば顧客情報として利用可能なため、契約時の入力の負担も減る。

  NTTデータは、認証サービスセンターを運営し、SaaS形式で機能を提供する。関係省庁や機関、運用面での調整などを行いつつ、来年度以降に事業化する予定だ。

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