日立など7社が次世代認証技術を公開

06 12/18

 日立製作所やインターネットイニシアティブ(IIJ)などメーカー、通信事業者7社は、安心・安全なインターネット環境を実現する技術「セキュア・サービス・プラットフォーム」を開発、来年1月15日から実証実験を行うと共に技術を一般公開することを発表した。これは総務省が04年度に開始した委託研究事業を受けたもので、なりすましやフィッシングなどインターネットに存在する脅威を個人レベルではなく、ネットワーク上で排除しようというもの。IT新改革戦略にも合致する新技術が誕生したことになる。

  新たに開発したプラットフォーム技術は、総務省が「高度ネットワーク認証基盤技術に関する研究開発―認証機能を具備するサービスプラットフォーム技術」として委託研究したテーマで、今年度が最終年度になることから開発技術を公開することにした。
  参加した企業は日立とIIJのほか、KDDI研究所、KDDI、NTTコミュニケーションズ、NEC、富士通の7社で、要素技術テーマは「ネットワーク仲介型認証技術」「リアルタイム適応アクセス技術」「通信コーディネーション技術」「個人情報保護技術」の4つとなっている。
  具体的には、煩雑な設定をしなくても利用者が誰であるかを認識してプライバシーを保護しつつサービスを受けられる技術や、ネットワークに許可されていない通信などをリアルタイムに防止する技術、サービス提供者と利用者間の通信状態を正確に記録・通知する技術、利用者が利用したサービスから個人情報が漏えいしない技術。
  各社はそれぞれの得意な技術領域で参加し、従来は利用者が個人で複雑なセキュリティ設定をしなければならなかったものを、サービス提供側にその機能を集中配置することで、ユーザーがセキュリティ設定に手間をかけず、かつ、煩雑な設定なしでインターネットを利用できるようになる。
  7社は今後、安心・安全インターネット推進協議会と協調しながら、通信事業者やISPに新技術の導入や普及を促すとともに、サービス提供者や利用者が安心して利用できるインターネット環境の整備を進めていく。
  昨年に終了したe―Japan戦略はネットワーク基盤の整備が中心だったが、今年から始まった政府のIT新戦略は、インターネットの安心・安全な利用をうたっており、これを実現する基盤技術となる。

日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/