総務省が霞ヶ関クラウドの概要を発表

09 8/17

 総務省は、霞ヶ関クラウド構想の実現を目指した「政府情報システムの整備の在り方に関する研究会」の中間とりまとめを発表した。今発表では、各府省システムの統合およびデータ連携を行うにあたってのグランドデザインやその将来像、霞ヶ関クラウドの核となる政府共通プラットフォームの整備スケジュールの考え方などを示している。政府共通プラットフォームへの移行については、可能なものから段階を追って進めていくことを基本姿勢としており、来年1月には研究会案の最終とりまとめを行い、これを受けて整備方針案を発表、2012年度からの移行開始を目指す。

 政府情報システムの整備の在り方に関する研究会は、IT戦略本部の「i―Japan戦略2015」などで、行政システムの全体最適化推進のため「霞ヶ関クラウド(仮称)」の構築などを検討課題としてあげていることを受けて、今年6月にその具体化のために設立されている。
  各府省で個別にシステムを整備している現在の状況から、共通化可能な業務やアプリケーションを政府共通プラットフォームに集約し、共通化できない個別システムについてはデータ連携を行う環境に移行することで全体最適化を実現し、ハードやソフト資源、運用の統合化による業務効率化やコスト削減などの効果をあげるのが目的となっている。
  今回発表された「政府情報システムのグランドデザイン」のスコープでは、政府共通プラットフォームと、データ連携を行うシステムを霞ヶ関クラウドとし、これと「国民電子私書箱」や「自治体クラウド」など別途進められている仕組みを、「行政情報共同利用センター」をハブに連携させる構想を描いている。
  複数の省庁で同様の処理が行なわれている文書管理や職員の認証共通基盤であるGIMA、人事給与などの業務を共通基盤に乗せる「共同利用システム基盤」が2012年度に更新時期を迎えることから、この年度を政府共通プラットフォームへの移行を開始する年度に定め、段階的に移行を進めていく予定だ。
  それに向けて、データベースのデザインやデータセンターの場所、運用方法などを詰めていき、来年1月に最終とりまとめを発表、これを受けて総務省から整備方針案を発表し、各省が霞ヶ関クラウドに向けた取り組みを始めることになる。

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