総務省がICTによる安心・安全な社会の実現に指針

06 7/17

 総務省は、「安全・安心な社会の実現するための情報通信技術のあり方」についてまとめた。総務省は、「安全・安心な社会の実現するための情報通信技術のあり方」についてまとめた。今年2月から調査研究会において検討してきたもので、災害時や被災現場などで情報の提供や共有、トレーサビリティシステムを駆使した食の安心・安全、児童や高齢者が安心して生活できる市民生活支援という3つの分野を支える情報通信技術(ICT)は、どのようにあるべきかを探っている。今回は中間報告として提出されたが、今後はこれを踏まえた実現方策などについて検討し、来年3月までに報告書をまとめていくことになる。

 総務省は今年2月に「安心・安全な社会の実現に向けた情報通信技術のあり方に関する調査研究会」を設置して、地震や台風などの災害対策、O―157やBSE対策など食の安心、度重なる事件で児童の安全確保などに、ICTがどのようにかかわり、どんなシステム化が必要かを検討してきた。
 この背景には政府のIT新改革戦略や第3期科学技術基本計画などで、国民の安心・安全の確保が重視されており、具体的な情報通信システムのあり方が求められていることなどがある。
 中間報告は、@災害対策・危機管理A食の安心・安全B児童・高齢者などの市民生活支援の3点に重点を置き、それぞれ、現状分析とあるべき姿、実現に向けた課題などを明らかにしている。
 具体的な災害対策・危機管理の分野は、「住民との間の情報伝送」「対策機関の基幹ネットワーク」「対策機関の相互移動通信」「情報収集」「情報処理」の5テーマであるべき姿を描いた。
 そこでは、住民との情報伝送には住民が普段から持ち歩く携帯端末を活用すること、IPネットワークを基本に災害情報の共有性を確保する、映像を含む大容量通信がモバイル環境で利用可能な新たな無線通信技術の開発などをあげている。
 食の安心・安全では、トレーサビリティシステムによる生産・流通管理の高度化に対して、ユビキタス技術や電子タグ利活用技術、センサーネットワーク技術の研究開発、パッケージ化された導入しやすいシステムの開発などをあげた。市民生活支援ではユビキタスネット技術やユニバーサルデザイン化用の技術を10年までに実用化するための研究開発を強力に推進することなどをうたっている。

 総務省 http://www.soumu.go.jp/