みずほ銀行/NTTデータ/NTTデータ経営研、ニューロファイナンス拡大

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 みずほ銀行とNTTデータ、NTTデータ経営研究所は、新たなビジネス創出の取組みとして「ニューロファイナンス」(金融分野の諸現象を人間の脳から明らかにしようとする研究分野)の知見と技術を活用した金融サービスの共同研究を拡大する。3社は、2015年から金融サービスへのニューロファイナンスの適用可能性について実証実験を行い、脳の反応の差をもとに分類したモニターのタイプごとに広告に興味を示す割合に差が出たことから、この知見・技術を金融アドバイスなどにも活用できないか、検証に乗出す。

 15年の実証実験は、9月に実施した金融行動に関するアンケートで、6500人規模のWebモニターを対象に脳情報(脳の反応を推計した情報)、趣味や嗜好、金融行動に関するデータを収集し、解析結果を7つのタイプに分類。タイプごとに金融サービスの広告宣伝を実施し、興味が示される割合を検証した。この結果、7つのタイプ間で、広告に興味を示す割合に明らかな差が出ることを確認した。
 脳活動測定機器の進歩にともないニューロサイエンス(脳科学)理論や技術をビジネスに活用する動きが活発化している。例えばテレビCMの画像を見ている際の生活者の脳活動状況を把握することにより、テレビCMの制作意図を視聴者に的確に実現することができる。
 こうしたなかで、生活者による金融行動の意思決定に関しては、これまで伝統的な経済学やファイナンス論で研究されてきた。ニューロファイナンス理論は、これらの研究成果に加え、脳科学や認知心理学の理論や技術を、経済学やファイナンスの分野に適用して研究を進めている。
 みずほ銀行は、今回の共同研究の進展により、顧客自身も意識していなかった潜在的な欲求や嗜好にも対応したサポートが可能になるとみて、個々の顧客に適応した金融商品や金融サービスを紹介する取組みをより加速する。
  NTTとNTTデータ経営研究所は、脳科学技術の応用をフィンテック分野でも加速させ、顧客特性の理解とそれに基づいたマーケティング支援を実現していく方針だ。

 

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