CeFIL、事業創造へ共創拠点設立

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 CeFIL(センター・フォー・イノベーション・リーダーズ)は、日本の大手企業やベンチャーが業種や規模の枠を超えて集い、デジタル技術を駆使したビジネスイノベーションを創出するための基盤組織として、「デジタルビジネス・イノベーションセンター」(DBIC)を設立した。設立段階で製造、サービス、金融・生損保、ITなど27社の国内大手企業が参加し、参加企業同士、参加企業とベンチャー、産学が連携してエコシステムを構築し、デジタルテクノロジーによる新しいビジネスを創造するオープンイノベーション拠点を目指す。

 CeFILは、日本経済団体連合会内での次世代型IT人材育成の取組みを経て、経団連の有志企業によって2009年に設立された。現在、情報サービス産業協会(JISA)の横塚裕志会長が理事長を務める。
当初は大学院を中心として産学連携の高度ICT人材の育成支援活動を行ってきたが、3Dプリンターなど新しいテクノロジーの登場に伴い、日本の企業がそれら最新ITを活用し、イノベーション創出を支援する「デジタルビジネス・イノベーション支援」に活動の軸足を移した。
 昨年度より、有志企業が集まってデジタルビジネス・イノベーシ ョンを実現する場と仕組みを検討し、今回そのメンバーが中心となってDBICを立ち上げた。9月には、活動拠点となる「オープンイノベーション・ガーデン」を東京・虎ノ門に開設し、CeFILも同所に移転する。
 DBICでは、拠点の設置も含め、最新デジタル技術を活用し、大企業とベンチャーが連携してオープンイノベーションによって新しいビジネスを開発していくためのプロジェクト活動を支援し、「今までなかった新たなプラットフォームの確立に挑む」(横塚理事長)としている。
 参加するのは、経営者や戦略策定の立場にある層で、週2回程度、会員およびベンチ ャー企業などが集まり、技術動向などの意見発表を実施する。そのなかから着想を得た会員企業がプロジェクトを立ち上げ、そこに他の会員企業が参加、DBICが必要な技術を持ったベンチャーや研究者、議論を可視化できるデザイナーなどをコーディネートし、プロジェクトを管理する。
 また、ビジネスにITをどう生かすかをテーマとした講義が日本の大学では実施されていないことから、DBICでは同分野の教育を実施しているスイスのIMDおよびシンガポール経営大学(SMU)の両ビジネススクールと提携し、教育プログラムも行う。
  約100社を目途に国内外の優良ベンチー企業を同プラットフォームに集める。これにより「シリコンバレーのような雰囲気を醸成したい」としている。

CeFIL

日本経済団体連合会