UBICがAI搭載のコミュニケーションロボット開発

15 11/23

 UBICは17日、ロボット製作のベンチャー、ヴイストンと組み、UBICが独自開発した人工知能(AI)を搭載したコミュニケーションロボットの事業化に乗り出すと発表した。UBICがAIを提供、ヴイストンが設計・製造し、販売など顧客対応事業はUBICの子会社でデジタルマーケティングを行うRappaが担当。2016年5月から民間企業や公共施設など法人向けに、同年末までに一般家庭向けにも提供開始する。UBIC連合は、成長が見込まれるコミュニケーションロボットの市場でシェア10%を目指す。

ubic守本社長

    

 

 UBICのAIは、個人の感覚や暗黙知、判断の仕組みを理解するといった特徴があり、こうした機能を活かして今回、ヴイストンと共同で“生活密着型”をコンセプトとするロボット「Kibiro(キビロ)」を開発した。AIの機能により、インプットされた知識だけでなく、利用者の行動や好み、感覚の情報を蓄積・分析し、利用者が気付かなかった「好きなもの」を勧めることができる。
 キビロは、高さ28・5センチ、幅14センチ、重量800グラムとコンパクトな躯体の置き型ロボット。入出力は、カメラ・モノラルマイク・スピーカー及びLED(目・口・電源ランプ)による。
 コミュニケーションは、近距離の会話のほか、スマホ/タブレット用の専用アプリやメール、SNSによる出先からのコミュニケーションも可能になる。
 キビロは、16年初めの導入実験を経て、博物館や美術館、図書館など公共施設や飲食店、書店、デパートなどの商業施設、さらに病院、ホテル、教育施設といった多くの情報を保有・蓄積している施設で、情報提供や来場者への応対などの用途として売り込む。また、一般家庭向けについても同年秋から実証実験を行い、年末までに本格提供を開始する。
 ヴイストンは、03年に量産型2足歩行ロボット発売。自律型ロボットサッカーの世界大会で5連覇を達成した有力ベンチャー。またRappaは、UBICのAIをマーケティングに応用し高付加価値情報を提供するデジタルキュレーションサービスなどを行う。


守本正宏・UBIC社長の話 コミュニケーションロボットは、将来的には「1人1台」のイメージで普及するだろう。当社としては市場シェア10%を目指したい。その段階で、先行するメーカーへのAI提供など協業も考えられる。Kibiroの価格は、販売形態にもよるが10万円を切りたい。

 

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