日立情報システムズが新事業戦略を発表

10 9/27

 日立情報システムズは、クラウドサービスやBPO、データマイニングに経験や勘といった感覚的な情報を加えて分析する「PI(パースペクティブ・インテグレーション)手法」などを組み合せた新事業「プール化事業」に関する戦略を発表した。新事業によって、IT運用やSI事業といった既存の労働集約型・個別受注対応型の生産体制から、業務コンサルやクラウド活用のデータ分析など、情報集約型・先行開発型へとシフトしていく。2011年度には、プール化事業の売上構成比率を全売上の30%、金額ベースで600億円前後への引き上げを目指す。

 同社は、「クラウドという言葉がなかった時代からインフラや情報、サービスが所有から利用へと移行すると見て、仮想化技術でインフラを整備してきた」(原巖社長)とし、最近はSaaS対応や保険・公共向けなど業界向けクラウドなどの提供を開始している。
現在の事業領域は、データセンターやネットワークサービスを提供する「IT運用サービス」と、スクラッチやパッケージを提供する「SIサービス」の2本柱で提供しているが、プール化事業では、5つの事業領域を展開していく。
既存のIT運用サービスは、他社や自社のクラウドサービスを連携させて運用する「クラウド型サービス」へ、SIサービスは、モジュールやパッケージを組み合せることで顧客のビジネスプロセスを「ゼロ・リード・タイム(ZLT)」で提供する「ZLT構築サービス」へと進化させていく。
新規領域としては、顧客のビジネスプロセスを分析・診断する「業種・業務コンサル」、ビジネスプロセスを顧客に代わって遂行する「リアルBPサービス」に加え、データセンターに蓄積された情報を、PI手法を用いて提供する「高度データ分析」など3分野でサービスを提供していく。
5分野の事業開始時期は、今月からデータ分析を開始し、来年春には業種・業務コンサルを、来年秋にはクラウド連携サービスを、再来年春にはZLTサービスを順次提供していく。

プール化事業により、既存のビジネスモデルである労働集約型・個別受注対応型を、情報集約型・先行開発型へとシフトさせ、「売上高重視から利益重視のビジネス構造に転換していく」(原社長)考えだ。

日立情報システムズ