人事院が人事・給与システムを一元化へ

07 10/24

 人事院は、電子政府の実現に向けた「人事・給与等業務システム(人給システム)における最適化への取組み」として、従来の分散型から人事院集中管理型へとシフトすることを明らかにした。IT戦略本部の電子政府評価委員会でのヒアリングにおけるシステム最適化計画(改定)で概要を示したもので、これまで各府省に分散するシステムを2010年度までに人事院での集中管理方式に移行する。これを実現するためのプロジェクト推進体制も構築しており、今年度中には改修要件定義を策定するとしている。

  これまで電子政府・電子自治体の実現に向けた政策、施策が展開されてきたが、人給システムは分散型を前提としたシステム開発を行ってきた。この分散型方式は、人事院で一元的に人給システムの開発と改修を行い、各省庁のサーバーにそのアプリケーションを配布する。開発、改修を各省庁が行っている現行システムに比べてコスト削減が可能になる。
  ところが、2006年に業務・システム最適化ガイドラインが策定され、給与法の大幅改定が行われたこともあり、業務処理の集中化に向けた問題提起がなされた。これを受けて、今年の8月に電子政府最適化計画の改定が行われ、分散化から集中化へと方針が転換した。
  それは更なる効率化の観点から、各省庁に散在する人給システムをすべて人事院に集中させて一元管理し、各府省の担当者は当該システムに端末からアクセスして処理を行うもの。
  今年度はシステム改修の要件定義を行い、運用センターでは計画策定の準備とガイドラインの策定、府省はシステム移行計画を策定する。2010年度中に運用に入るが、現在の独自運用が効率的であるという府省は除外することにした。
  諸手当認定業務を見ると、申請職員から庶務担当への届け出、庶務担当から認定担当への届け出、認定担当から認定権者への届出認定、給与担当者への通知という流れで発生する紙媒体の削減と業務効率化につながる。
  この集中化方式により、現行システムに比べて経費削減効果は年間約7.2億円、業務時間の短縮効果は年間延べで1050万時間になると試算している。また、標準機能から除外した出勤管理に代替措置を導入するとさらに年間約110万時間の短縮が可能という。