IPA、ITスキル標準を拡充

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 情報処理推進機構(IPA)は、今後第4次産業革命を迎えるにあたって必要とされるIT人材育成のため、既存のITスキル標準(ITSS)を補完する「ITSS+(プラス)」を公開した。早急に対応が求められる「セキュリティ領域」と「データサイエンス領域」について、具体的な専門分野や業務活動、必要なスキルをそれぞれ整理し、体系化した。IPAでは、今後もデジタル変革で求められる人材のスキル類型について検討を続け、政府の第4次産業革命の推進に対応した新たなITスキル標準の策定も行う予定としている。

 補完的な位置付けに

 ITSSは、各種IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標。IT技術者をSEやプログラマーといった名称で分類するのではなく、ビジネスの実情に沿うように職種や専門分野を分類定義しており、企業や技術者は、それぞれ7段階のレベルで個人のスキルを評価する尺度として活用できる。
  ITSS+は、従来のITSSが対象としている情報サービスの提供やユーザー企業の情報システム部門に関わっている既存の人材が、セキュリティ領域やデータサイエンス領域のそれぞれに向けたスキル強化を図るための学び直しの指針として活用されることを想定している。今後ITSSの更新も予定しているため、現時点ではITSSと統合するものではない。
  セキュリティ領域では、IT活用の加速に伴って更なるセキュリティ対策が求められていることを踏まえ、専門的なセキュリティ業務の役割の観点により、経営課題への対応から設計・開発、運用、セキュリティ監査における13の専門分野を定義した。
  これらの内容は、IPAが4月から認定を開始した新しいサイバーセキュリティ分野の国家資格「情報処理安全確保支援士」(登録情報セキュリティスペシャリスト=登録セキスぺ)の能力要件とも連動している。
  データサイエンス領域は、既存のITSSに含まれていない新規の領域となる。企業などの業務において、ビッグデータを分析し、活用するための一連のタスクとそのために習得しておくべきスキルを、データサイエンティスト協会との協業により取りまとめた。

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