ITホールディングスが独立系SIのソランを参加に

09 11/16

 ITホールディングスは、東証一部上場の独立系ソフト開発会社のソランを子会社化する。13日に株式の公開買い付け(TOB)を開始した。両社の2009年3月期決算の数字を合算すると、売上高4千億円、営業利益270億円、従業員数1万9千人となり、NTTデータに次ぐ売上高第2位のITサービス会社が誕生する。ソランは、独立系システムインテグレーターが団結することで、リスク分散と相互補完で企業体力を強化させるというITホールディングスの設立趣旨に賛同しており、今回のTOBを歓迎している。

 情報サービス業界は、景気の低迷による厳しさにさらされているうえに、ユーザーのIT利活用がSaaSやクラウドコンピューティングという新しい流れに傾きつつあり、環境変化の最中にある。
  当然、ITサービス会社もそれに合せて社内の体制を整えなければならないが、このような状況は、親会社を持たない独立系の会社にとっては厳しい。
  そのような背景のもと、昨年4月にTISとインテックが経営統合して持ち株会社ITホールディングスの傘下に入り、独立系大手SI会社の今後のあり方を占う上で業界に大きなインパクトを与えた。
  一方、ソランは1970年に松本計算センターとして設立し、その後社名をエム・ケー・シーに改め、スタットや日本タイムシェア、長銀情報システムなどと合併・統合して企業規模を拡大してきたが、今回ITホールディングス傘下の事業会社として生き残っていくことを選択した。
  統合による効果に関しては、ソランは、製造業や宇宙システムというITホールディングスが持っていない顧客層を有しており、クロスセリングが期待できることを挙げる。また、インテックの富山、ユーフィットの名古屋、ソランの長野と、それぞれが事業基盤を持つ東海北信越地域において、とくに地方自治体向けビジネスにおけるシナジー効果が期待できるとしている。
  経営統合後ITホールディングスは、独立系のプライムコントラクターのリーディングカンパニーとしての立場を鮮明にするとともに、クレジットカードや銀行、生損保などの大規模金融システム開発に強みを持ちつつ、特定業種のIT投資動向に左右されない安定した収益構造を得られるとしている。今後もITホールディングスは、賛同するSI会社を統合していく考えだ。

関連サイト

ITホールディングス

ソラン