経産省とIPAが「共通キャリア・フレームワーク第一版」を公開

08 10/27

 経済産業省と情報処理推進機構(IPA)は、今後必要とされる高度IT人材の人材像および保有すべき能力、果すべき役割を示した育成・評価のための共通フレームワーク「共通キャリア・スキルフレームワーク第一版」を公開した。「ITスキル標準(ITSS)」「組込みスキル標準(ETSS)」「情報システムユーザースキル標準(UISS)」の各スキル標準との整合性を図り、情報処理技術者試験との対応関係も明確化した。これにより、技術者が他の業種やIT関連業務に移った際に新たに必要なスキルを把握できるほか、国内の客観的な人材育成・評価が可能となる。

 昨年7月に、経産省の産業構造審議会情報経済分科会情報サービス・ソフトウェア小委員会人材育成WGは、日本が国際競争に勝ち残るためには今後10年先を見据えたIT人材育成戦略を構築することが急務であるという認識のもと、報告書「高度IT人材の育成を目指して」をまとめ、同報告書内にフレームワークの原案を示した。
  内容は、情報サービス系から組込み系、ユーザーの要員まで、今後日本が目指すべき高度IT人材像に即したキャリアと求められるスキルを総合的に整理したものとなる。
  まずIT人材を「基本戦略系人材ストラテジスト」、「ソリューション系人材」(システムアーキテクト/プロジェクトマネージャ/テクニカルスペシャリスト/サービスマネージャ)、「クリエーション系人材」(クリエータ)の3種類の人材類型および6種類人材像に分類している。
  さらに人材のキャリアレベルを、最低限の基礎的知識を持つ「レベル1」から、高度な知識とスキルを持ち世界に通用する人材の「レベル7」までに定義しており、これに対応する形で来年4月から情報処理技術者試験の内容も改訂される。
  新試験の対象はクリエータを除いた5人材像のレベル1からレベル4までで、共通キャリア・スキルフレームワークのレベル1から3までをそれぞれ「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」とし、レベル4に関しては領域ごとに細分化した「高度試験」を行う。
  また、レベル1から4までで必要とされる知識を知識体系として整備しており、今後産学が連携して同フレームワークを活用すれば、高等教育時からの計画的なIT人材の育成も可能となる。

関連サイト

経済産業省の発表資料 共通キャリア・スキルフレームワーク(第一版)の公開について

情報処理推進機構(IPA)