期待される「時代の牽引役」

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 業界団体など新年賀詞交歓会が続き、新年の残り香が漂う中で、情報サービス/IT企業の年頭所感から今年の業界トレンドを覗いてみたい。
  業界トップ、NTTデータの岩本敏男社長は「企業や社会の成長にITが必要不可欠となった今、年々進化を続ける技術の進展をいち早く捉え、ITサービスとして世の中に提供していく」ことを誓う。野村総合研究所の此本臣吾社長は「私たちの強固な収益基盤を磨く「守り」と新しいお客様の創造・ビジネスモデルの構築という「攻め」の両方を意識した組織運営と活動を進めていく」とした。ITの活用と協業・共創によるユーザーの新しい事業モデル構築(デジタルトランスフォーメーション)の支援に、各IT企業が名乗りを上げる。日本ユニシスの平岡昭良社長は「ビジネスエコシステムの成長を促すカタリスト(触媒)としての役割を担う」と立ち位置を定める。TISインテックグループの桑野徹社長は「お客様と一緒にイノベーションを興していく」構えだ。
  一方で、多くのIT企業が働き方改革にも言及している。業界での火付け役といえるSCSKの谷原徹社長は「働き方改革の第二ステージとして、今年は健康経営・働き方改革をさらに一歩進める」方針。伊藤忠テクノソリューションズの菊地哲社長は「それぞれの生活に合せて多様な働き方を選択できる職場づくりに臨みつつ、新しいテクノロジーに対する姿勢やオフィスの概念にまで踏み込んで働き方の転換を図る」としている。
  ユーザー環境ではデジタル変革が重視され、「不透明な事業環境にも関わらずシステム投資は高い水準で堅調に推移」(新日鉄住金ソリューションズ謝敷宗敬社長)するといった具合に、業界には追い風が吹いている。情報サービス会社には、今年の干支である鶏のように時を告げる時代の牽引役となり、自ら飛び立つ飛翔の年となることを期待したい。 (I)