ホワイト認定制度を利用しよう

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 経済産業省が、従業員の健康管理を経営的な視点で捉える優良企業を認定する「健康経営銘柄」に続き、新たに「健康経営優良法人―ホワイト500―」認定制度を開始する。いわゆるブラック企業と対極に位置するホワイト企業に、国がお墨付きを与える形だ。
 健康経営銘柄は、原則1業種1社の認定で、情報サービス業では2年連続SCSKが選定されている。ただし、SCSK同様この2年重複受賞の企業が多く、他の健康経営に取組んでいる企業が埋もれている。そこで上場・非上場を問わず、大規模法人のうち優良な健康経営を実践している大規模法人について、2020年までに500社を「健康経営優良法人(ホワイト500)」として認定する。情報サービス業の場合は、従業員数300人以上の企業が対象となる。
 現政権は、内閣改造で担当大臣を設置するほど「働き方改革」に力を入れている。これを機に、IT業界に被せられたブラックという“不本意”な冠を返上し、逆に認定という根拠のもと大きな声でホワイト業界と言えるように業界全体で動いてみてはどうか。世間の認識と整合性をとるいい機会でもある。
 これから健康経営調査が行われるので、情報サービス各社には是非とも回答してもらいたい。実施側もすべての質問に回答できないことは織込み済みで、回答企業が今年ホワイト500に認定されなかった場合、来年の選定に加点されるという。評価が送られてくるので、業界他社との比較もでき、改善すべき点も明確となる。今回取得できずとも次回、その次での取得を目指せばいい。500社限定の制度でもなさそうだ。
 また大企業向けの施策かと感じる経営者もいるかもしれないが、実はホワイト500のほかにも、中小企業を対象とした「健康経営優良法人」を表彰する制度が、9月には発表されるとのこと。すべての会社にとって、他人事ではない話だ。(I)