イオンの低価格スマホへの期待

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 3月末に、流通大手のイオンが、独自の格安スマートフォンの販売を発表した。日本通信の通信サービス「b─mbile」、韓国LGエレクトロニクスの端末「Nexus4」の組み合わせで、月の支払額が通信料1560円、端末代金1420円で合計2980円は、既存のスマートフォンの約半額という安さだ。
 Nexusブランドは、グーグル社公認のフラッグシップモデルと目されているアンドロイド端末ブランドで、Nexus4はグーグル社がLGと共同開発した3G対応製品で、決して「安かろう、悪かろう」のブランドではない。
 日本のスマートフォン市場は、iPhoneが圧倒的なシェアを占める、世界でも稀なマーケットで、その大きな理由のひとつが、スマートフォンの本体価格にあるといわれている。
 世界的に見ると、アンドロイド端末は、iPhoneよりも価格が安く、高価なiPhoneと住み分けができているといわれている。ところが、日本で販売されているアンドロイド端末は、iPhone並みか、より高い価格で販売されているものもある。
 国内で販売されているアンドロイド端末の多くはiPhoneとの差別化のためか、実に多くの機能を搭載している。おそらくこれまでの日本人の趣味趣向を反映してのものだろう。
 しかし、ほとんどのユーザーが、最初は物珍しさで様々な機能を試してみるが、結果的にはごく一部の機能しか使用しておらず、この多機能化がどれだけ功を奏しているのか甚だ疑問だ。
 本来、iPhoneとアンドロイドの関係性は、ウインドウズとLinuxの関係性に近いはずで、価格的にはアンドロイドに分があるはずだ。さらに、世界では、モジラ社が、独自のファイアーフォックスOSを搭載した本体価格25ドルのスマートフォンを発表するなど、めまぐるしい覇権争いが続いている。
 一方、日本のスマートフォン市場は、すでにガラパゴス化している。イオンのような思い切った試みが、ガラパゴス化に向かう日本の市場に刺激を与えることに期待したい。

(G)