佐賀県で産官学連携のIT農業モデル開発へ

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 佐賀県と佐賀大学、同県に本店を置くオプティムは、農業IT分野で連携協定を結び、同分野での共同研究を開始した。佐賀大学農学部の農業に関する学術的な知見と佐賀県の農業に関する実用的な知見・ノウハウ、オプティムのIoTをはじめとする情報技術を融合させ、IoTやドローン、ウェアラブルなどのテクノロジーを活用した佐賀県発のIT農業モデルを構築し、「世界ナンバーワンとなるIT農業の実現を目指す」としている。最初の取組みとして、県と大学が保有する農業試験場において、ドローンによる農場の空撮と画像分析を開始した。

 現在日本の農業は、高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加、技術伝承、鳥獣被害といった多くの問題を抱えている。一方で、ITを活用した新しい農業が、オランダにおける成功例もあって注目を集めている。
 そのようななか3者は、共同事業を展開し、農家のニーズと学術的知見、ITを活用して農業の諸問題を解決するとともに、佐賀県IT農業モデルを構築していく。世界一農業ビ ッグデータ地域を目指し、IoT活用で佐賀県から世界一安心、安全、おいしい農作物を生産するとしている。
 まず、県と大学が保有する10農場を上空からドローンでスキャンし、データをクラウド上のサーバーに蓄積する。そのほかにも、温度や湿度などのデータや、スマートグラスを活用して取得した農作業データなども蓄積していく。
 それらのデータを分析する基盤として、オプティムがドローン対応のビッグデータ解析プラットフォーム「SkySight(スカイサイト)」を開発した。「ドローン対応のビッグデータ解析プラットフォームは世界初」(オプティム広報)で、同基盤を活用してIoTデータや画像、映像の分析を行う。
 共同研究を行うなか、スカイサイト上に作物別や分析の目的・手法など、佐賀大学や農家の知見をもとに用途ごとの分析ロジックを開発し、プラグイン方式で実装していく。現状は画像とテキスト分析が可能で、今後映像分析も行えるようにする。
 今後は、ネットワークカメラを活用して家畜の畜舎のサーモグラフィー映像から家畜の体調や発情を管理し、問題発生時にアラートを飛ばす仕組みや、現場でスマートグラスを活用して専門家と映像を共有し、指示を仰ぐ仕組みなどを検討していく。

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