富士ソフト、III、OESFがアンドロイド製品の検証で連携

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 富士ソフト、オープン・エンベデッド・ソフトウェア・ファンデーション(OESF)、台湾の政府と民間の合弁組織であるインスティチュート・フォー・インフォメーション・インダストリー(III)の3者は、アンドロイド製品の評価・検証分野を中心とした組込みビジネス領域で提携した。富士ソフトとOESFがアンドロイドの評価基準を策定し、富士ソフトが同基準に準拠したテストツールを開発する。アンドロイド製品を開発するメーカーが多い台湾でIIIがテストラボを開設し、地元の企業向けにツールで評価ビジネスを行い、知見をフィードバックさせる枠組みとなっている。


 現在、市場でアンドロイドを搭載した端末は5千種類以上存在し、アプリの稼動検証などテストや検証の需要は大きい。
日本は製造業が強く、組込みソフトや制御部分を得意とし、台湾はハードの領域で世界の工場ともいわれ、多くの知見を持っている。これにグローバルで活動するアンドロイドのビジネス利用の普及促進団体であるOESFが参画し、評価基準を策定してアンドロイドのテストツールを開発し、日本と台湾で販売する。テストをクリアするとOESFが合格証を発行する。
アンドロイドの検証ツールは、米グーグル社が公開しているものがあり、準拠したツールが多数存在しているが、今回開発するツールは初めてAPIレベルまで踏み込んだもので、設計段階から実機テストまで開発の上流から下流までの工程に対応する。「日本メーカーの厳しい要求を満たし、10人で行うテスト作業が3分の1程度に効率化される」としている。
今回の提携にあたり、富士ソフトには、これまで国内で行われていた組込みソフトのテスト工程が人件費の安い海外へと流れていくなか、ツールの販売と同時に検証のコンサルや、海外子会社でテスト領域のビジネスを確保したいという考えがあり、IIIは、ソフト分野のテストという新しいビジネスを国内に定着させたい思惑がある。  

一般社団法人であるOESFは、試験事業などで収益が増えたため、今回を機に営利事業の活動を切り分けて「OESFグローバルLLC」を設立した。両者ともOESFのメンバーで、従来であれば組織内で活動する範囲となるが、今回OESFは企業として両社と覚書を取り交わした。

富士ソフト

インスティチュート・フォー・インフォメーション・インダストリー(III)

OESF