IIJがオールインワンデータセンターを開発

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 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、外気冷却機能を内蔵した小型コンテナ型データセンターモジュール「co―IZmo(コイズモ)」を開発した。サーバー類と空調というデータセンター運用に必要な機能を、1台のコンテナ内にまとめた製品となっている。設置面積は、縦8m横3mの24uという小型サイズとなっている。出雲地方の島根県松江データセンターパークにて、製品化に向けた1年間の実証実験を開始した。外気冷却のみを利用して運用を行う。環境性能も、既存のモジュール製品よりも大きく向上する予定となっている。

 

 IIJは現在、商用としては国内初となる外気冷却コンテナ型データセンターである同社の松江データセンターパークにて、コンテナ型データセンターモジュールの「IZmo(イズモ)」を運用している。今回新たに開発したコイズモは、文字通りイズモの小型版という位置付けとなる。
 イズモの場合、ITと空調はセパレート型で、別途空調モジュールが必要となる。イズモと空調モジュールをダクトで連結して、室外機を設置する際には冷媒配管を利用している。
 これに対してコイズモは、ISO規格である1台の20フィートコンテナの中に、必要なIT機器と空調機能をモジュールとして一体化させて収納している。
 コイズモは、3ラックを設置可能で、コンテナ1台から稼働が可能であり、運搬も設置も容易なため、データセンターでの利用以外にも、ユーザーが確保したスペースにコイズモを設置し、小型で安価なプライベートクラウドシステムを構築するというアプローチも可能になる。
 IIJは、小規模用途のコンテナ型データセンターの商用化に向けて、4月より1年間の実証実験を開始した。外気冷却のみを利用した運用を通じて、夏期の室外機使用と冬期の加湿器使用をなくすことで、省エネルギー運用を実現し、ランニングコストを大幅に削減できる見込みだ。

    松江データセンターパークは、外気冷却コンテナユニットを採用することで、全体の消費電力を従来型のデータセンターに比べ約40%削減している。現在使用しているイズモは、コンテナデータセンターのエネルギー利用効率を表すpPUE値が年間平均1・17だが、コイズモはpPUE値を1・0台にまで抑えられるとしている。

 

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