東京の公共交通事業者が交通データをオープン化

13 8/26号

 東京地域の公共交通事業者13社・組織ならびに日本空港ビルデング、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所、東京大学は、電車やバスの運行情報、駅や停留所、空港などターミナル施設の情報のオープンデータ化を推進する「公共交通オープンデータ研究会」を設立した。東京都心における運行情報、駅や停留所や空港の施設情報などをリアルタイムで提供するためのオープンデータ活用に向けて技術と環境両面での整備を行う。これにより各社の公開情報を活用し、最新の運行情報にのっとったリアルタイムの運行情報サービスなどの実現を目指す。

 

 公共交通オープンデータ研究会に参加した交通事業者は、小田急電鉄、京王電鉄、京成電鉄、京浜急行電鉄、首都圏新都市鉄道、西武鉄道、東京急行電鉄、東京地下鉄、東京都交通局、東京臨海高速鉄道、東武鉄道、東日本旅客鉄道、ゆりかもめで、会長は坂村健東京大学教授/YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長が勤める。オブザーバーとして、総務省、国土交通省ならびに東京都が参加する。
 研究会は、9月から活動を開始する。公共交通情報のオープンデータ化ならびに実用化に向けて、データフォーマットやAPI、セキュリティなどの情報通信技術や、サービスモデル、ビジネスモデルに関して検討をすすめ、年内には試行サービス実験を実施する予定となっている。
 公開された各種オープンデータを共有・流通させるため、各社が公開するデータの記述形式や意味の違いを吸収できる汎用的な技術・運用ルールに基づいた環境を構築し、その上で鉄道、バスの運行情報、駅・停留所の公共交通施設情報を共通のデータ規格に基づいてオープンデータ化する。
 これに基づき、交通事業者から個人まで多様な開発者が情報サービスを容易に提供できる環境を構築するとともに、アプリ開発をはじめとした新しいビジネスの開拓も促す。
 公共交通オープンデータを活用することで、列車の相互乗り入れが加速するなか、乗り入れ各社が提供する事故情報や遅延情報、位置情報をふまえた現在の最新の鉄道運行情報提供をはじめ、外国人向けのさまざまな言語での情報提供、障がい者や高齢者に必要な情報提供などが可能になる

 

 すでに昨年YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は、公共交通オープンデータ実用化に向けた実証事業を行い、成果として開発基盤システムと開発者サイトを構築している。

公共交通オープンデータ研究会