JAHISが医療ITの標準化促進に施策

07 8/27

   医療の情報化を支援する保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は、医療システム連携などの標準化活動の強化を含む今年度の活動計画を明らかにした。IT戦略本部が公表した「重点計画2007」でも医療評議委員会において「レセプト完全オンライン化」「地域医療連携の推進」を掲げており、JAHISの今年度計画もこれらを踏まえると同時に、医療IT化への啓発活動や相互運用性実証実験の完遂、JAHIS独自に支援できるIT業界側からの付加価値向上活動などを強化していくことになる。

 JAHISは、医療情報システム構築に関連するメーカーやSI会社などベンダーがITを活用したよりよい保健医療福祉サービスの実現を支援するために、情報提供や事業環境の改善、標準化といった共通基盤の確立などを目的に94年に設立された。
  現在の会員数は345社・団体で、11年までの中期計画目標に「日本版EHR(エレクトリック・ヘルス・レコード)を中心とした医療ITの推進」を掲げ、基盤強化に加えて国内/国際の標準化活動や対外活動などを展開している。
  今年度の具体的な事業計画として、経済産業省と連携した実証実験「地域医療情報連携システムの標準化及び実証事業」と「医療情報システムにおける相互運用性推進普及プロジェクト」の継続、レセプト完全オンライン化に向けた活動強化、電子点数表への取組みなどを展開する。
  またJAHISだけでなく、昨年6月にJAHISと医療関連団体が参画して設立した「医療IT推進協議会」を通じ、日本版EHR実現に向けた施策提言や関連団体との連携強化などを行う。
  特に標準化推進部が進める「国内標準化」「国際標準化」「普及推進」「ソフトウェア安全性検討プロジェクト」での活動が注目されそうだ。国内標準化では標準マスタの普及に備えるほか、相互運用性実証実験の結果を踏まえたデータの互換性やシステム適用などを展開していく。
  JAHISはこれまで、医療関連団体や医療機関などの支援を中心に活動を行ってきたが、今後はそれらに加え、医療IT化のメリットが十分国民に知られていないことから、利用者である国民への啓発活動を強化していきたい考えを示した。

保健医療福祉情報システム工業会