新日鉄ソリューションズがクラウドコンピューティングの検証施設を開設

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NSクラウド・コンピテンス・センターの内部写真
NSクラウド・コンピテンス・センター

 新日鉄ソリューションズ(NSSOL)は、クラウド・コンピューティングの導入を検討している企業を対象に、検証と実証用の施設「NSクラウド・コンピテンス・センター」(クラウド検証センター)を開設した。クラウド・コンピューティングは、ECサイトなどのコンシューマーサービス系の分野では普及が見られるものの、企業ユースとしてはまだ未知数で、導入に踏み切れない状態にある。NSSOLは、これまでに蓄積してきた研究技術やサービスのノウハウをもとにクラウド環境を実証し、システム構築に加えてクラウド・コンピューティング・サービスの活用を促進していく。

 クラウド検証センターは、NSSOLの先端分野や新規技術の研究開発施設である横浜・みなとみらいの「システム研究開発センター」内に設置される。
  同所では、2005年にグリッド/ユーティリティ・コンピューティングの検証施設を構築しており、このほかにも仮想化や、インテルと共同で最新の5500番台CPUのクラウド環境への適用などの研究も行っている。
  一方で、ユーティリティ・データセンターサービスの「NSアブソンヌ」を提供しており、すでにクラウド・コンピューティング・サービスを提供するための技術やインフラが整っている。
  同センターでは、これらの蓄積した技術やノウハウをもとに、企業がクラウドの利用を可能とするための技術を開発するほか、ユーザーと共同で「既存システムのクラウド環境への移行・統合」「外部サービス連携システムの構築」「自社アプリケーションのサービス化」「プライベートクラウド」などの技術検証作業を実施し、クラウド環境の導入を支援する。
  共同検証費用は無償で、今年度は10社限定でユーザーを募集する。同社の宮辺裕常務取締役ITインフラソリューション事業本部長によると、「コスト削減を意識して本気でプライベートクラウド環境への移行を希望するユーザーが多い」という状況で、すでに数社の案件が動き出している模様だ。

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