SAPジャパンが分析用アプライアンスを発売

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 SAPジャパンは、インメモリー・コンピューティング技術を活用した分析システム「SAPハイ・パフォーマンス・アナリティック・アプライアンス(SAP HANA)」を発売した。HANAは、演算エンジンとデータベースをメインメモリーに搭載し、既存の業務データや分析用データ、インターネット空間に散在するデータなどのあらゆるデータソースから、瞬時に検索や分析を行える。製品は、ビジネス用のデータモデリングツールと組み合わせ、パートナーのハードウェアに搭載して販売する。今後SAP社のソフトには、インメモリー技術が標準で採用されていく。

 HANAは、SAPのインメモリーエンジンと、買収したビジネスオブジェクツのリアルタイム検索技術、サイベースのリアルタイム同期システムなどを組み合わせて開発した分析ソフトで、ユーザー企業の目的に応じた分析用アプリケーションをパートナー企業が開発し、システムをハードウェアに搭載した分析用のアプライアンス製品として販売する。
 ERPなどのデータをメモリーに複製して処理することで、高速検索やモデル化、分析が可能となる。既存のデータウェアハウス(DWH)のシステムではバッチ処理でデータを加工・集計する作業に1日以上かかるのに対し、HANAではこれを数秒で処理できる。
 例えば、4500億件のデータを数秒で処理できるほか、16GBを1ブレードという単位として27ブレードのインメモリーでシステムを構成した場合、5TBのデータベースで1時間あたりのインデックス作成データ量は0.6TB、1時間あたりのレポート作成数が10万件などとなっている。
 インテルと協業し、HANAは「ジーオンプロセッサー7500番台」で最適な性能を発揮するように設計されている。そのほかにもワールドワイドでハードメーカーとの協業を進めており、まず国内では日本HPと日本IBMのハードにソフトを搭載したアプライアンス製品として発売する。今回発売した「バージョン1・0」の導入対象は既存のSAPのERPユーザーで、今後のバージョンで他の環境に対応していく。

    SAP社は、今後インメモリー・コンピューティングを標準技術として採用し、ERPをはじめとした各製品に随時採用していく予定となっている。

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